【初心者向け】PFCバランスとは?筋肉を落とさずに痩せる食事法を栄養士が解説

ダイエット知識

「頑張ってるのに痩せない…」
それ、実は「カロリー」じゃなくて「栄養バランス」の問題かも。

ダイエットを成功させるには、「食べる量」だけでなく「何から栄養をとっているか」がとても重要です。
中でも【PFCバランス(たんぱく質・脂質・炭水化物の比率)】は、筋肉を守りつつ、脂肪を減らすためのカギ。

この記事では、栄養士の視点から「PFCとは何か?」「どう調整すれば痩せるのか?」を、初心者にも分かりやすく解説します。

📌この記事でわかること
・PFCの意味
・PFCバランスの必要性
・ダイエットの目安
・食事例とPFC比
・記録に使えるおすすめアプリ

なぜ“栄養バランス”が痩せるカギなのか?

「食べなければ痩せる」は間違いではありませんが、正しくありません。
たとえば、脂質に偏った食事では脂肪が燃えにくく、逆に炭水化物を減らしすぎると代謝が落ちてリバウンドの原因に。

体は、バランスよく栄養を摂った方が「痩せやすく、太りにくい」状態を作れます。

PFCとは?それぞれの役割と重要性

PFCとは?

「PFC」の「P」「F」「C」は、三大栄養素である**たんぱく質(Protein)・脂質(Fat)・炭水化物(Carbohydrate)**を指します。

これらはただのカロリー源ではなく、身体づくりや代謝の土台になる重要な栄養素です。それぞれの特徴を理解することで、ダイエットの効率が大きく変わります。


① たんぱく質(Protein)

  • 1gあたり:4kcal
  • 主な役割:筋肉・内臓・皮膚・ホルモンなどの材料

たんぱく質は、筋肉や臓器、髪、肌、爪などの構成成分になるほか、代謝を支える酵素やホルモンの材料にもなります。

特にダイエット中は筋肉が落ちやすくなるため、筋肉の分解を防ぐためにもたんぱく質は必須です。不足すると基礎代謝が低下し、痩せにくい体質になります。

✅ 多く含まれる食品:
鶏むね肉、豚ヒレ、牛赤身、ツナ水煮、納豆、豆腐、卵、魚、プロテインなど


② 脂質(Fat)

  • 1gあたり:9kcal(最も高カロリー)
  • 主な役割:ホルモン合成、細胞膜の構成、脂溶性ビタミンの吸収サポート

脂質は「太る栄養素」と思われがちですが、良質な脂質は健康維持に欠かせないものです。

女性ホルモンや男性ホルモンの材料にもなり、脂質が不足するとPMS(月経前症候群)や肌荒れ、集中力低下を招くこともあります。

ただし、摂りすぎると体脂肪として蓄積されやすいため、ダイエット中は種類と量に注意が必要です。

✅ おすすめの良質脂質:
オリーブオイル、アマニ油、ナッツ、アボカド、青魚(EPA・DHA)など


③ 炭水化物(Carbohydrate)

  • 1gあたり:4kcal
  • 主な役割:エネルギー源(脳・筋肉)

炭水化物は最も効率の良いエネルギー源であり、脳や筋肉は主に糖質から得たエネルギーを使って活動しています。

極端に減らしすぎると、疲れやすくなったり、集中力が落ちたり、筋トレのパフォーマンスも下がってしまいます。

ダイエット中でも「活動量に応じた適切な量」を摂ることが、健康的な減量には重要です。

✅ おすすめ炭水化物:
白米、玄米、さつまいも、全粒粉パスタ、そば、オートミール、野菜・果物など

PFCのカロリー換算

PFCバランスを理解するには、**各栄養素の「1gあたりのカロリー」**を知ることが基本です。

栄養素カロリー(1gあたり)特徴
タンパク質(P)4 kcal筋肉の材料。代謝維持に必須
脂質(F)9 kcalホルモンや細胞膜の材料になる
炭水化物(C)4 kcalエネルギー源。脳の栄養にもなる

👉 つまり、同じ1gでも脂質はタンパク質や炭水化物の2倍以上のカロリーを持つため、脂質の摂りすぎには注意が必要です。

初心者が陥りやすいPFCの偏り

PFCバランスの大切さはわかっていても、実際の食事では以下のような偏りがよく見られます。

よくある偏りタイプ原因リスク
炭水化物が多すぎるご飯・パン・麺が主食中心血糖値上昇・脂肪蓄積
タンパク質が少なすぎる肉・魚・豆製品の摂取が少ない筋肉減少・代謝低下
脂質が高すぎる加工食品や揚げ物が多いカロリー過多・体脂肪増加
脂質が少なすぎる脂質=悪と思い込むホルモンバランスの乱れ

理想的なPFCバランスとは?

PFCバランスは、目的や体質によって理想的な比率が変わります。まずは、健康維持を目的としたPFCバランスを見ていきましょう。

▼健康維持を目的としたPFCバランス

日本人の「食事摂取基準(2020年版)」における PFCバランスの目安(=エネルギー産生栄養素バランス)は、以下のとおり定められています。

✅ 厚生労働省が示す PFCバランス(成人)

栄養素推奨されるエネルギー比率(%)
たんぱく質(P)13~20%
脂質(F)20~30%
炭水化物(C)50~65%

この数値は人が健康的に生活していくために設定されており、たんぱく質は筋肉を維持してくための、脂質は最低限の量で、それ以外を炭水化物で取るような割合になっています。

この数値はあくまでも基準なので、ダイエットする場合には、何かの栄養素を減らしていく必要があります。

▼一般的なダイエット向け:P30%/F20%/C50%

一般的なダイエットでは、一番パーセンテージが多い炭水化物を少しづつ減らしていくと摂取カロリー全体を抑えることができます。60% → 50%にするだけで、1,800kcal中「▲180kcal」カット(=炭水化物約45g減)することができます。

PFCを以下のようなバランスにすると、健康リスクなく安全にダイエットを行うことができます。

一般的なダイエットのPFCバランス

🥩 たんぱく質(P)30%:筋肉を落とさずに脂肪だけを落とすために、やや高めの設定です。鶏胸肉、白身の魚、大豆製品などが有効です。

🥑脂質(F):20%:ホルモンバランスや脳の働きのために最低限は必要。ナッツやオリーブオイル、青魚などの良質な油を選びます。

🍚 炭水化物(C)50%:エネルギー源としての役割。減らしすぎると疲れやすくなったり、代謝が落ちたりするため、極端な制限は避けます。

👉体重の減少はとても緩やかですが、継続できれば、筋肉の減少やリバウンドなく痩せていけるダイエット法です。

👉設定体重が多い場合には長期間のダイエットになるので、習慣化、マインドセット、目標の設定をしておくのが鍵🔑です。

▼脂肪を落とす(減量・ダイエット)場合 おすすめバランス:P35%/F15〜20%/C 45〜50%

本格的なダイエットでは、筋肉を維持しながら、カロリーをどう減らすかということがポイントです。

筋肉を守るため、たんぱく質は多めにし、脂質は控えめにするが、0にはしない(ホルモン・ビタミン吸収に必要)。炭水化物も控えすぎない。運動のパフォーマンス維持や代謝を落とさないような食事を目指します。

脂肪を落とすダイエットのPFCバランス

🥩 P(たんぱく質)35%:筋肉を守るために高めに設定

  • 減量中は、カロリーが不足しがち=筋分解が進みやすい状態。
  • たんぱく質を高めに摂ることで、
    • 筋肉の分解を防ぎ
    • 代謝の低下を防ぎ
    • 満腹感も維持しやすくなる

🔹 目安:体重1kgあたり 2.0〜2.5g
例:体重60kg → たんぱく質120〜150g


🥑 F(脂質)15〜20%:最低限に抑えてカロリー削減

  • 脂質は1g=9kcalと高カロリーなので、減量中は控えめにするのがセオリー。
  • ただし、脂質ゼロはホルモンバランスや体調不良のリスクあり
    • 生理不順、肌荒れ、集中力低下など
  • 良質な脂(オリーブオイル、魚油、ナッツなど)で最小限を補うのが理想。

🔹 目安:体重1kgあたり 0.8〜1.0g
例:体重60kg → 脂質48〜60g(=約430〜540kcal)


🍚 C(炭水化物)45〜50%:エネルギーと代謝維持のために確保

  • 減量中も、炭水化物を極端に減らすと代謝が落ちる・運動の質が下がる
  • 特に筋トレをしている人は、糖質不足でパフォーマンスが落ちやすい。
  • ローカーボにしすぎないことで、トレーニング強度と基礎代謝をキープできる。

🔹 目安:体重1kgあたり 2.0〜3.0g
例:体重60kg → 炭水化物120〜180g

→ポイントは、たんぱく質は多めに取り、意識的に脂肪を減らすのがポイント

PFCバランスの基本と食事例|筋肉を落とさず痩せるダイエット法

一般的なダイエットでは、炭水化物を少し減らしていけば良いですが、ダイエットを少し加速したい場合には、ローファットやローカーボダイエットをすると、体重の減少が見込める可能性があります。

ここでは、実際に著者が行なっていた代表的な「ローファット食(脂質を抑える)」「ローカーボ食(炭水化物を抑える)」の2パターンを紹介します。

▼ ローファット食(脂質を抑える例)

🔸目的:脂肪を減らす・減量向き

脂質を1日の総カロリーの15〜20%程度に抑える食事法。炭水化物とたんぱく質を中心に、脂質は控えめに設定します。

✅ 特徴

  • 脂質が少ないため、カロリーを抑えやすい
  • 糖質をしっかり摂れるため、運動のパフォーマンスが落ちにくい
  • 比較的続けやすいが、脂質不足には注意

✅ 食事例

食事メニューP(g)F(g)C(g)kcal(推定)
朝食オートミール、バナナ、無脂肪ヨーグルト、ゆで卵(白身中心)164.454332 kcal
昼食白米150g、鶏むね肉ソテー、ブロッコリー、味噌汁(油なし)33.64.863.8454 kcal
間食プロテイン、干し芋21.41.237278 kcal
夕食白米200g、鮭のグリル、野菜炒め(ノンオイル)、納豆37.41486.9556 kcal
合計108.424.4241.71,620 kcal
PFC比率(%)27%14%60%

👉脂質を抑えるために「鶏むね肉(皮なし)」や「白身魚」を使用し、「ノンオイル調理」を意識すると脂質を抑えることができます。

👉炭水化物をしっかりとるので、筋トレで追い込みながらダイエットしたい人には向いているダイエット法になります。

▶️ダイエット中はどうしてもたんぱく質が不足しがちになるので、このプロテインをよく使っていました。(PR)

<番外>ローカーボ食(炭水化物を抑える例)

ローカーボ食は、短期的に体脂肪を落とす・体重を一時的に落とすことができますが、体重の停滞やリバウンドが起こる可能性があるので、著者が行なっていた際のものを記載しました。

糖質(炭水化物)を1日50〜100gに抑える食事法。脂質とたんぱく質を中心に構成されます。

✅ 特徴

  • 体重は早く落ちる(体内の水分が減る)
  • 空腹を感じにくいこともある(脂質が多め)
  • 長期的にはエネルギー不足になりやすいので、注意が必要です。


✅ 食事例

食事メニューP(g)F(g)C(g)kcal(推定)
朝食ゆで卵2個、アボカド、豆腐、MCTオイル入りコーヒー21445約504 kcal
昼食サラダチキン、ゆで卵、サラダ(ノンシュガードレッシング)3284.5約248 kcal
間食プロテイン、ミックスナッツ3023.59約378 kcal
夕食牛赤身ステーキ、温野菜、チーズ4722.57.5約376 kcal
合計1309826約1,506 kcal
PFC比率(%)35%59%7%

👉炭水化物は「野菜・きのこ・海藻」など食物繊維中心にし、ご飯・パン・麺は控えていました。

👉ケトジェニック中は、エネルギー切れを起こすことが多かったんですが、素早くエネルギー補給したい時にはよくこのMCTオイルを使っていました。(PR)

PFCバランスを調整するポイント

いくらバランスを意識しても、日々の食生活でズレが生じやすいポイントがあります。以下の3つは特に注意しておきたい点です。


▼ ① 加工食品の脂質に注意

市販の加工食品(お惣菜、冷凍食品、パン、揚げ物など)は、見た目よりも脂質が高い傾向があります。

例:

  • ハンバーグ弁当 → 脂質25g以上もザラ
  • コンビニサンドイッチ → マヨネーズで脂質が多い
  • ドレッシング → 大さじ1で脂質6g以上も

🔹脂質は**カロリーが高い(1g = 9kcal)**ため、気づかぬうちに摂りすぎてしまう原因に。できるだけ「調理法を自分で管理できる食事」を選びましょう。

▼ ② たんぱく質を意識しないと不足しがち

現代人の食生活では、炭水化物と脂質は摂りすぎ、たんぱく質が不足しやすい傾向があります。

✔ 意識して摂るべき食品:

  • 鶏むね肉、ツナ(水煮)、豆腐、納豆、卵、ギリシャヨーグルト、プロテイン

🔹たんぱく質が不足すると、筋肉が減りやすく、代謝も低下。体重は減っても“やつれた”印象になります。

▼ ③ 食事記録アプリでバランス確認もおすすめ

最初は自分のPFCバランスを把握するのは難しいため、アプリでの記録が非常に有効です。

✅ おすすめアプリ:

  • MyFitnessPal
  • あすけん
  • カロミル

食べたものを入力するだけで、自動でPFCバランスがグラフ化され、どれを増やせば/減らせばいいかが一目瞭然になります。

「アプリは苦手…」「やっぱり手書きが落ち着く」という人には、
PFCバランスや食事を記録できる【ダイエット専用ノート】もおすすめです。

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▼ まとめ

PFCバランスを意識することで、食事の質が高まり、健康的にダイエットできます。まずは自分の食事をチェックし、少しずつ改善していきましょう!

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